1. 海外で病気やケガをしたときの対応手順
1-1. まず落ち着いて状況を把握する
海外で体調を崩したりケガをした場合、焦る気持ちはわかりますが、まずは冷静に状況を確認しましょう。
- 軽症の場合:発熱、軽い頭痛、胃痛、打撲など → 自力で病院へ行ける
- 中程度の場合:高熱、ひどい腹痛、骨折、深い切り傷など → すぐに病院を探しタクシーや公共交通機関で向かう
- 重症の場合:意識不明、大量出血、呼吸困難など → 救急車を呼ぶ
1-2. 現地の病院を探す方法
海外では、日本のようにどこでも簡単に病院を見つけられるとは限りません。特に、旅行先が都市部でない場合、医療機関が限られることもあります。
病院の探し方
- 海外旅行保険会社のサポートセンターに連絡(提携病院を紹介してもらえる)
- 大使館・領事館に問い合わせる(日本語対応の病院リストがある場合も)
- ホテルのフロントやツアーガイドに相談
- Google マップで「hospital」「clinic」などのキーワードで検索
1-3. 病院での受診時に必要なもの
海外の病院では、以下のものを持参するとスムーズに診察を受けられます。
- パスポート(本人確認のため必要)
- 海外旅行保険の証書(保険適用をスムーズにするため)
- クレジットカード(キャッシュレス診療ができない場合の支払い用)
- 持病がある場合は、英文の診断書や薬の処方箋
2. 海外の医療費はこんなに高い!国別の相場
海外では、医療費が日本よりも高額になることが多く、特にアメリカなどでは保険なしでは支払えないほどの費用がかかることがあります。
国名 | 盲腸の手術 | 骨折治療 | 軽い診察 |
---|---|---|---|
アメリカ | 約200〜500万円 | 約100〜200万円 | 約2〜5万円 |
フランス | 約50〜100万円 | 約20〜50万円 | 約1〜3万円 |
オーストラリア | 約80〜150万円 | 約30〜60万円 | 約2〜4万円 |
タイ | 約20〜50万円 | 約10〜30万円 | 約5千円〜1万円 |
特にアメリカやオーストラリアでは、救急車の利用だけで数万円かかる場合があり、海外旅行保険なしでの医療費負担は非常にリスクが高いことがわかります。
3. 海外旅行保険の保険請求の流れ
3-1. キャッシュレス診療を利用する方法
海外旅行保険の中には、キャッシュレス診療が可能なものがあります。キャッシュレス診療とは、病院での治療費を自分で支払う必要がなく、保険会社が直接病院へ支払う仕組みです。
キャッシュレス診療の手順
- 保険会社のサポートセンターに電話する(24時間対応のところが多い)
- 提携病院を案内してもらう(キャッシュレス対応の病院を紹介してもらう)
- 病院で保険証書とパスポートを提示
- 治療を受ける(自己負担なし)
※キャッシュレス診療が可能な病院がない場合は、一時的に自己負担し、後で保険会社に請求する必要があります。
3-2. 保険請求の手順(後日請求する場合)
キャッシュレス診療を受けられなかった場合は、治療費を立て替えた後で保険会社に請求することになります。
保険金請求の流れ
- 治療費を立て替えて支払う(クレジットカード決済がスムーズ)
- 病院から以下の書類をもらう
- 診断書(英語または現地語)
- 領収書(必ず正式なものをもらう)
- 治療明細書(何の治療を受けたか詳細が記載されたもの)
- 保険会社に必要書類を提出する
- 診断書・領収書
- 保険金請求書(保険会社からダウンロード)
- パスポートのコピー
- 審査後、保険金が振り込まれる(通常1〜2か月程度かかる)
注意点
- 保険会社によっては、診断書の取得費用は自己負担となる場合がある
- 証拠書類が不十分だと、請求が通らないこともあるため、必ず正式な書類をもらう
4. 海外で病気・ケガをしたときの追加対策
4-1. 日本語対応の病院リストを事前に調べる
旅行前に、日本語対応可能な病院をリストアップしておくと、万が一のときにスムーズに対応できます。
おすすめの調べ方:
- 在外日本大使館・領事館の公式サイト
- 海外旅行保険会社のホームページ
- Googleマップのレビュー(”Japanese speaking doctor” などで検索)
4-2. 持病がある人は事前に準備を!
- 持病のある人は、日本で英文診断書を用意しておくと安心
- 持ち歩く薬の成分表を英語で用意(税関トラブルを避けるため)
4-3. 緊急連絡先をスマホに登録しておく
- 保険会社の緊急連絡先
- 日本大使館・領事館の電話番号
- 家族や親しい友人の連絡先
まとめ
海外旅行中に病気やケガをしたときは、まず冷静に状況を判断し、保険会社や大使館に相談することが大切です。医療費が高額になる国では、キャッシュレス診療を活用し、適切な保険請求を行うことで経済的な負担を減らせます。
事前に日本語対応病院を調べたり、持病がある人は英文診断書を準備することで、万が一の際もスムーズに対応できるでしょう。